2009年1月号

独慎抄

幻想から現実への大反転

 長い時間と労力をかけて発展を目指してきた人間が携えていたものは、民主主義であり、資本主義であり、自由市場主義であった。それらを幸せの旗印としてきたにもかかわらず、本当に幸せを実現できたとは言いがたい。現実には、混乱と錯乱と閉塞が社会を覆っていたことに今頃になって気が付いている。この幻想を失敗とするか次への糧とするかが私たちは試されている。地球という“有限”の中でしか生きられないという現実を見据える方向へ大反転しなければならない、それが人間圏に生きるものの責務であろう。

 

【特集】
『日本の分水嶺』

【巻頭対談】
国家戦略が日本を甦らせる
−多極化する国際社会で生き残るための青図とは−
元首相 中曽根 康弘
評論家・麗澤大学教授 松本健一


 
未曾有の金融危機が世界を覆っている。その世界的不況の危機の中で最も傷が浅いとされている日本。しかし、その日本が見えざる重大な危機に瀕している。戦後の日本が無意識に潜伏させてきた国家的病巣。その病が発症し、今日の極度な混乱と散乱、閉塞をもたらしている。

 この国に潜む国家的病巣とはいったい何か。多極化と多層化にさらされ、複雑極まりない国際社会の現場で何が起きようとしているのか。そして……わが国に支柱となる明確な国家目標はあるのか。

 世界がその歴史哲学や政治戦略を高く評価するステーツマン・中曽根康弘元首と、日本の歴史を俯瞰し、切れ味鋭い文明史観で世界史の中での日本を展望する麗澤大教授・松本健一氏が新春に向けて対論する日本甦生のための「国家論」。乞うご期待!

【ビジュアル】無量劫
−四十六億年の営みの中で−

 ビッグバン、宇宙の創生から始まり、太陽系の誕生、地球の誕生を経て、人類は度々分水嶺に立ち、こうして現在に至っている。地上ではある一つの出来事により、生き残りをかけた人間たちが右往左往してきたが、46億年も前から太陽系の惑星はびくともせずに悠久の時を刻んできた。

 

【寄稿】

原 丈人/世界で絶対に必要な日本をつくる
山口 繁/裁判員制度−転換点に立つ日本の刑事司法
森本紀行/サスティナビリティか資本主義か
吹浦忠正/「信頼」という資産をもって国際社会に立て
阿久津博康/朝鮮半島の安全保障情勢を読む
上田清司/グローバル社会と抜本的「地方分権改革」
佐治晴夫/裸のサルから人間への道−宇宙教育の役割
鎌田 實/あいまいで、あやふやで、いい加減な日本の時代
陰山英男/子どもの「リアルな現実」から始めよ!
幕内秀夫/完全米飯給食が日本を救う
上田閑照/「日常」を生きるということ−その哲学−
青木新門/安心して死ぬことを心がける
木村治美/男も女も、成熟のとき
塩野米松/意味を問うこと、問わないこと
宮内寿和/五十年後、日本の山はあるのか?
片田珠美/動機なき殺人と「拡大自殺」願望
小浜逸郎/情報階層社会の出現
西部邁/良きナショナリズムをめざせ

【新連載】

 

TAWAMURE−photo Ryojinhisho

●写真家 大橋 弘

【好評連載】

 

RINGО白書<7>
RINGO−壮絶な現場からのメッセージ

●NPО「家庭教育再生機構」
 理事長 長田百合子

木下久雄の「ゴルフ・実践人間学」<9>
人の章 努力編
岡田美智子−人生に奇策なし

●日本プロゴルフ協会(PGA)理事
 木下久雄
●コーディネーター
 ジャーナリスト・植田剛彦

いのちの泉<13>
マラソンとベスト・コンディション

●宗教学者 山折哲雄

時空の旅人<12>
酒と器と、魂と

●生物学者 長沼毅

シュトゥットガルトの空から<13>
南チロルの恋人“オッツィ”

●作家 川口マーン惠美

二十世紀最後の武士(もののふ)外交官
加瀬俊一とその時代<12>

●外交評論家 加瀬英明

高橋史朗の第三の教育論<67>
東京都・職員会議「挙手」禁止通達は暴挙なのか

●明星大学教授 高橋史朗

黙さず語らん<48>
プロの意識

●作家 藤本義一

にっぽん人情小噺<37>
焼鳥屋さん

●落語家 三遊亭鳳豊

続・心語余滴<8>

 

【グラビア】

 

COSMOGRAPHY

●画家 千住 博

日に晒され風に吹かれ<155>

●写真家 浅井愼平

表紙写真・提供 JAXA/NHK

 





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