2008年5月号
独慎抄
独慎抄 宇宙生成の原理とは何か

 詩人の坂村真民さんが、人間の存在も含めて「大宇宙大和楽」と呼んだ調和と秩序が宇宙にはある。それを成立させている宇宙生成の原理がある。不思議なことにというか、宇宙の巧妙さゆえにと言うべきか、宇宙生成の原理によってここに存在せしめられている私たち人間が、存在せしめた宇宙のことを考えている。単なる疑問ではなく、宇宙生成の原理が突きつける尋問である。夜明けをもたらし、「おてんとうさま」と呼ばれ、惑星や衛星に多大な影響を与え続ける太陽もまた、われわれと同じ宇宙生成の原理によってそこに存在している。宇宙生成の原理とは何か、そう尋ねることを避けられない宇宙生成の原理とは何か。
【特集】
太陽
太陽−四十六億年の時空から生命の源泉を探る
●監修 宇宙物理学者・早稲田大学客員顧問研究員 桜井邦朋
母なる太陽を「太陽の子・人間」が読み解く

 「人間は太陽の子である」。50年近く太陽を研究し続けてきた桜井邦朋氏は、こう繰り返して言う。宇宙に存在する星の一つとして太陽という恒星を見れば、それはごく平均的な性質をもち、数ある星々とそう変わらない。だが、太陽のエネルギーによって地球上で生かされている私たちから見ると、途端に特別な意味を持ってくる。今の太陽の姿が少しでも異なるものだったら、生命は生きることを許されなかったのだ。
「太陽の子」である私たちが母なる太陽の姿を読み解くこと、それはわれわれの存在自体を問うことでもある。


見えざる磁場を追う
太陽観測衛星「ひので」がみた世界
●国立天文台教授・「ひので」科学プロジェクト室長 常田佐久
今まで見えていなかった太陽

 太陽について明らかにされていなかったことの多くに、太陽自身の持つ磁場が影響していることが分かってきた。それを撮影しているのが「ひので」である。人間には見ることのできない不可視光の世界をビジュアルで見せながら、太陽磁場について語る太陽研究の最先端。
宇宙から危険をお知らせいたします−「宇宙天気予報」の地球危機管理術

太陽活動の影響を事前にキャッチする

 私たちの生活はもはや宇宙を飛び回る人工衛星なしでは支障をきたすほどである。宇宙には放射線があふれている。人工衛星も地上の1万倍〜10万倍の濃度の放射能を受けている。地球にも太陽フレアの爆発によって磁気を帯びたガスが届き、磁気嵐やオーロラを引き起こし、電波障害や送電システム破壊も発生する。事前に分かっていれば対応できることも少なくない。そこで宇宙の環境を事前に予知して地球にお知らせするのが「宇宙天気予報」。地球環境は宇宙環境の視点から捉えなければならない時代である。


「地球温暖化」真の原因は何か?
●宇宙物理学者・早稲田大学客員顧問研究員 桜井邦朋
太陽活動と温暖化の関係を探る

 現在、世界規模で地球温暖化が問題となっている。その原因は概ね「二酸化炭素」とされている。「地球温暖化防止=二酸化炭素の削減」。果たして本当にそうなのだろうか。
 宇宙物理学者、桜井邦朋氏は、太陽と地球環境を長い歴史の中で捉えている。二酸化炭素のような炭酸ガスの排出量が増えることは良くないとしながらも、現状の温暖化は、太陽活動とそれに連動する宇宙線の量が大きく関係しているのではないかと提示する。政治問題となってしまった温暖化に惑わされず、太陽の真の姿を探るべく、温暖化と太陽活動を問い直す。


【コラム】
太陽エネルギーは未来の主役!?


【ビジュアル】
可視光の世界
ーGreat Original of the Sun


生命進化が生み出した「生体リズム」の神秘−時計遺伝子が読み解く新しい医療の視点
●東京女子医科大学東医療センター内科教授 大塚邦明

時計遺伝子が読み解く新しい医療の視点

 夜になると眠くなり、朝になると目が覚める−。
 これを毎日繰り返すことのできる私たちのからだには不思議な仕組みが隠されている。自律神経やホルモンの働き、体温、脈拍数は24時間を周期としてリズミカルな変動を規則正しく繰り返している。驚くべきことに、原核細胞から哺乳類にいたるまで地球上の生物にはそっくりな「時計機構」が存在し、宇宙や太陽の動きと呼応しながら時を刻んでいる。時計機構が生み出す「生体リズム」にいち早く着目し、日本における時間医学の道を開いた第一人者が、神秘に満ちた生体リズムの世界にいざなう。


【コラム】
光合成は地球生命の源



神話が語る創造と破壊の神
●比較宗教学者・和光大学教授 松村一男

太陽神は世界に存在する

 古来、人間は太陽をどのように考えていたのか。それを、世界各地に伝わる神話をひもときながら解説する。特に、日本のアマテラスは特殊な存在である。女神であり、主神であり、稲作の神でもあった。科学がどれだけ発展しようとも、太陽神を崇めることは人間的行為であり普遍的な行為として消えることはないであろう。


天道、是か非か−司馬遷が見た歴史の真実
●中国文学者 渡辺精一

人間・司馬遷を読み解く

「天道是か非か」−いまなお多くの人に読み継がれる中国最初の正史『史記』に込められた司馬遷(紀元前145?〜紀元前86?)の意思とはいかなるものだったのだろうか。
 巷間言われる司馬遷像を、丹念な原典渉猟によって人間・司馬遷の本質にアプローチする渡辺精一氏が見た『史記』に込められた天の意味と、人間の赤裸々な実像とは何か。

【好評連載】
いのちの泉<5>
独りになってみえてくる蔭の世界
●宗教学者 山折哲雄
時空の旅人<5>
徒然なるままの陰陽五行
●生物学者 長沼 毅
シュトゥットガルトの空から<5>
豚に真珠のシュタインウェイ
●作家 川口マーン惠美
二十世紀最後の武士(もののふ)外交官<4>
加瀬俊一とその時代4
●外交評論家 加瀬英明
現代養生訓<5>
春は心の危機
●自然美システム研究所代表 萩原俊雄
【新連載】
木下久雄の「ゴルフ・実践人間学」
運命の邂逅
知力、体力、気力、意志力、行動力、思考力など、人間が社会生活を行う上で求められる必須の能力すべてを厳しく要求される全人格的スポーツ−ゴルフ。
 そのゴルフの本質を、プロゴルフ界のご意見番・木下久雄PGA理事が古今東西のゴルフプレイヤーを俎上に載せながら具体的に解説する。
 いまPGAを中心に、すべてのゴルフ関係者がジュニア育成に本腰を入れ始めた。ゴルフという協議と文化を通しての日本人のモラルづくり、国家再生への道筋ともなる新連載−。第1回は、「ゴルフを国民スポーツに」という遺志を木下理事に託した師・中村寅吉氏の生き方を通してその本質を明らかにしていく。
●日本プロゴルフ協会(PGA)理事
 木下 久雄
●取材構成 ジャーナリスト・植田剛彦
高橋史朗の第三の教育論<59>
特別対談 お日さまと元気に育て、子供たち
リズム運動と太陽光が子どもの脳を健やかにする
●ゲスト 埼玉県・白鳥幼稚園園長
 石間戸宗明
●明星大学教授 高橋史朗
文明の新地平<17>
共産党独裁のゆくえ
●評論家・麗澤大学教授 松本健一
黙さず語らん<40>
手を伸ばそう
●作家 藤本義一
にっぽん人情小噺<29>
末は博士か大将か
●落語家 三遊亭鳳豊
未知なる輝き<40>
人間とはどういうものか!?
●「リビングワールド」
 代表・働き方研究 西村佳哲
ザ・ビジネス・ドメイン
組織の盛衰を決める価値観の共有
●東急ホテルズ社長 梅原一剛
【グラビア】
COSMOGRAPHY ●画家 千住 博
日に晒され風に吹かれ<147> ●写真家 浅井愼平
【歴史エッセイ】
日本の名山 その歴史と文化<96>
開聞岳 九州最南端の山
●作家・文芸評論家 高橋千劔破