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2004年12月号
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巻頭言 災難に逢時節には災難に逢がよく候
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【特集】淵源
─見えざる本質─ |
「宇宙」の淵源と「自分」という本質 ●名古屋大学大学院教授 池内 了 ●鈴鹿国際大学短期大学部学長 佐治晴夫 小学生の4割が「天動説」を信じているという。「見えるものしか信じない」からか……。見えないものを見えるようにしてきてのは科学だ。そのため、これだけ科学が発達した社会では見えないものなどない、と思い込む。見えるものは信じていい、となる。しかし、天が動いているように見えることと、天が動いていることは違う。人間には見えない視点に立つことも必要なのだ。その最たるものが「宇宙」。自分がいまここにいる意味、人を殺してはいけない理由、それも宇宙からの自分を見つめる視点が教えてくれる。さらにいえば、自分は「相手」を通してしか見ることができない。自分が自分を見るのだと思うと「天動説」になってしまう。「あなた」から「わたし」を見る「あなたとわたし」の関係の中に「わたし」の本質がある。 聖徳太子の音を響かせたい ●雅楽器師 山田全一 雅楽器氏・山田全一氏の仕事は、千二百年前の音をいまに蘇らせ、そして千年後の後世に伝えること。それは「目に見えない相手」と対峙する日々。そのためには木や水や自然、そして宇宙まで意識しないといけないという。自然が発した声なき声のメッセージを受け取って初めて、千年前の音が再現できるという。山田氏の手による雅楽器が奏でる音を聞くと、平安時代の雅なる生活が脳裏に浮かんだ。 |
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| 子どもの不適応はなぜ起こるか ─近世の私塾が示唆する教育問題解決への糸口 ●京都学園大学学長・教育学博士 海原 徹 授業中の立ち歩きに、対教師暴力、いじめ、モラル低下、不登校、ひきこもり……と、可能性に満ちたはずの子どもたちが、学校や社会に対して不適応を引き起こしています。それに対応するべく教育改革も真剣に議論され、試行錯誤が始まったものの、状況は悪化の一途を辿っていると言わざるを得ません。そこで、「そもそも教育とは何か」「学校とは何か」という原点から、学校教育のありかた、教育システムそのものを考え直そうというのがこの記事の狙いです。「江戸時代私塾は、現在の教育制度に浸かっているわれわれからすれば、目を瞠るほど生き生きしたものがあった」と語る海原徹氏に、歴史的な視点から近代公教育の問題点を指摘していただきました。 「もののけ」を消した驕り ●明治学院大学教授 武光 誠 私たちの祖先は、よいこと・わるいことにかかわらず人智を超える出来事があると、それを「もののけの仕業」とし畏れ敬ってきた。森羅万象になにものかの意思があるとして、日常生活を送ってきた。現代の私たちは科学の発達に伴い、目の前の現象のほとんどを説明することができる。それが素晴らしいことであるのは間違いない。しかし、自分たちの力を過信してはいないだろうか。自分たちが自然や動物を力で押さえ込む資格があると思い違いをしていないだろうか。武光氏は「もののけ」の存在を否定した現代の「傲慢な社会」に警鐘を鳴らす。そして、未知なる力の存在を意識することが必要だと教えてくれる。 「私」の顔を知らない私 ●立教大学名誉教授 香原志勢 人間誰もが「顔」の存在を気にしないことはないだろう。誰かを思い浮かべるとき、顔はその個人を示す代名詞となるほど、人間にとっては要の部分である。また、個人を表すだけではなく、その人の心の表れる場所でもある。それゆえに、人は意識的に心を隠そうとすると表情に出さないようにもする。顔は人間の心を探る手掛かりの一つであると言えるのではないだろうか。これほど重要な役割をもちながら、自分自身の顔を直に見ることは不可能である。それは、かえって人間の本質をそのままに表しているようにも思えてならない。 知的感受性の潜む「周縁」 ●文化人類学者 山口昌男 社会は「差異」をつくりだして成り立つ。例えば、「身内」の存在を明らかにするのは「外部」であり、「我々」は「他者」によって把握できる、といったように。ところが、この「はみ出した部分」に人の心はゆすぶられる。雑音として異端扱いされたロックミュージックも、「分からない」と評されたピカソの絵も、その例だろう。それらを「周縁」と呼ぶとき、そこには人間がさまざまな現実を生きる可能性への寛容性がある。可能性を広げる「自由」の問題も、そこには含まれる。そうしたさまざまな知的感受性が、「周縁」を捉えることで獲得できる。 「あるべき姿」を発した光源 ─北一輝の現在的意味 ●評論家・麗澤大学教授 松本健一 日本という国の指針を示すとき、それはなにを捉えての指針であるべきか、どこから発せられた指針であるべきか、それが不明なままに語られることは少なくない。明治、大正、昭和を生き、いまでもさまざまなレッテルを貼られて評される北一輝だが、その研究の第一人者・松本健一氏は、北一輝は「自らの光源に従って日本のあるべき姿を示していた」と見る。「天が言わしめている」というほどの強さをもったうえでの「国民国家」の実現を説いた北一輝の思想の現在的意味を探る。 |
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【新連載】
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| 未知なる輝き<1>書は人生を変える | ●書道家 武田双雲 |
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【グラビア】
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| 日に晒され風に吹かれ<106> | ●写真家 浅井愼平 |
| お墓参りは楽しい<31> 朱鷺のキンちゃん | ●作家・日本ペンクラブ常務理事 新井 満 |
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風と光の中で<22>長野
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●文 千歳栄 写真 イシイヨシハル |
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【歴史エッセイ】
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| 日本の名山 その歴史と文化<55>英彦山 | ●作家・文芸評論家 高橋千劔破 |
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歴史を変えた決断と名言<34>
生命に満ちた星、地球を愛そう |
●明治学院大学教授 武光誠 |
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【歴史小説】
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ひとすじの道<33> 小説・三島通庸
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●作家 阿井景子 |
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【好評連載】
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| 「まほろば」の循環史観<6> 葦原中国の起源I ─アマテラス・ツクヨミ・スサノオ、そして天孫の国造り |
●四天王寺国際仏教大学教授・弁護士 中島尚志 |
| 長田百合子の体当たり奮戦記<20> 「自分」のない親、「自分」をもてない子 |
●エデュケイションライター 長田百合子 |
| ミレニアムの鼓動<57> 「アウシュビッツ」にコルベ神父の聖なる愛を訪ねて |
●国際ジャーナリスト 菊地育三 |
| 高橋史朗の第三の教育論<20> 教育論なき財政主導型の小泉改革 |
●明星大学教授 高橋史朗 |
| リーダーの要諦<31> 『貞観政要』を読む |
●中国思想史家 疋田啓佑 |
| かさいよしつぐの通心簿<最終回> 父と子の本気が教室を変えた |
●教育コンサルタント 笠井喜世 |
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植田剛彦の暴言直言一直線<19>
日陰者の愛煙家 それでも紫煙は燻る |
●評論家 植田剛彦 |
| 【読者の作文コーナー】 | |
| 大事な人に伝えたい心のメッセージ | |
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●表紙・池内了氏、佐治晴夫氏……撮影・井上和博
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