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2004年10月号
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巻頭言 不器用であっても、真剣に、愚直に生きる
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【特集】切なるもの
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アンビ シャスな挑戦─切なる志で世界を凌駕せよ ●国際日本文化研究センター所長 山折哲雄 ●大阪大学客員教授・総合科学技術会議議員 岸本忠三 宗教学者の山折哲雄氏は、現代社会を洞察していく中で、「平安時代三百五十年、江戸時代二百五十年、この二度にわたる長期平和時代の意味をどのように考えたらよいのか。そのようなことは、西欧世界はおろか中国やインドの歴史においても見いだすことはできないものだったからだ。問題はそのような奇跡に近いことが、何故この日本列島において可能となったのか」 と問題提起し、「国家と宗教の幸福な調和が保たれていた」─パクス・ヤポニカの思想こそが日本人が発信すべき価値観であると説いている。片や生命科学者の岸本忠三氏は、六年間務めた大阪大学総長退官後も免疫研究のトップランナーとして一研究者の立場で大学に残った。それは、岸本氏が解明した「インターロイキン─6」の発見によって開発された新薬の臨床試験で救われたアメリカ人の小児リウマチの子どもの父親からの一通の礼状がきっかけだったという。 「原因不明の病気のメカニズムを解明できる可能性が高いならば研究せないかん。もういっぺん免疫学の最前線で戦おうと決心しました」と、改めて日本の科学的教養の可能性に懸けている。 実は、この二人の権威が奇しくも語っている事の本質は、「日本人のもつ本質的な潜在力への信頼」という意味で同根であり、だからこそ、リストラ、テロや戦争、新種の病気、自殺者の急増、家族の崩壊、そして十代の青少年による凶悪犯罪……まさに重病患者の態をなす日本および日本人に対しての、二人の激烈な危機感ともなっている。 カオスの時代に突入してしまった二十一世紀初頭の世界に対して、わが国は精神的にも、科学的にも、そして技術的にも、深淵かつ重大で、創造性豊かな「意味」を発信することはできるのか。そこに二人の切実なる願いもある。 |
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| -“日々創業”その痛切なる志─創業とは、今日に創を刻む道だ!- ●株式会社扇屋代表取締役 井上泰伸 破魔矢、熊手、お守り、絵馬、小型の石鳥居……など、神社仏閣で使用する授与品、調度品を製造する扇屋(山口県岩国市)は、同業五社の中でもオールラウンドに対応する国内唯一の総合メーカーである。全体で六割、破魔矢にいたっては二百万本、七割のシェアを超えるという。 プレハブ小屋からスタートした同社が、四十年間でここまで成長してきた理由とはなにか。 そこには、血のにじむような艱難辛苦に遭遇しても絶対に失うことのなかった創業者・井上泰伸氏の痛切な、突き抜けるほどの想いがあったという。齢七十を越えてもなお燃え滾る創業の志をもち続ける井上氏に、激変時代を逞しく生き抜いていくための神髄を聞く! 親が親でなくなる日 ●共励保育園理事長 長田安司 保育園が家庭の役割を代替すればするほど、家庭は本来もたなくてはならない力を失っていく─。保育に人生を賭けてきた長田安司氏は、こう断言する。三年前には、だれかが現場の声を発信しなければならないと、外に向かって果敢な行動を始める。それは行政への挑戦も意味していたが、その行動を突き動かしたのは「保育園は社会を予言している」という危機感であった。 電車の中で本が読みたい ●株式会社大活字社長 市橋正光 「電車の中で本が読みたい」それは弱視者だった父の願い。父はその思いだけで、視覚障害者向けの書籍を発行する会社を創業した。しかし翌年、父が急逝。息子・市橋正光氏は大学卒業後、社長に就任した。右も左もわからない社長業。「父の夢を実現したい」父の遺した思いが市橋氏をがむしゃらに動かした。息子の夢は父の夢と重なった。 父と息子、親子二代で紡ぐ「切なる思い」が、夢の実現まで市橋氏を止めることはないだろう。「棄民」 であり続けたいのか 「棄民」であり続けたいのか ●関西学院大学教授 野田正彰 野田正彰氏の言葉は衝撃的である。社会が私たち国民を見捨てている。その社会に生きる私たちはどうすればいいのだろう。言いようのない不安を拭うには…。身の回りで起きる出来事に切実に向き合い、他人との交流で心を共有させなければ、私たちは「豊かな社会」に足を踏み入れることすらできない。 偏らない力─身体感覚は近代的知性を超える ●劇作家 別役 実 ギリシャ悲劇『オイディプス王』など、紀元前につくられた作品が今日でも人々に感動を与えている。それは、演劇の本質が変わっていないことと同様、人間の本質もまた変わっていないからではないだろうか。近代に入ってから、人々は合理精神に基づき、ものごとを二元対立的に捉えるようになってしまった。しかし、一つのものに偏らず、じっと我慢をして人間の内側から新たな指針が出てくるのを待つ必要があると別役実氏は語る。 演劇と人間。その共通する本質の中にある生き方。いまわれわれはなにを取り戻さなければならないのか─。 亡き人々に生かされている ●映画監督 黒木和雄 「なぜ自分だけが生き残ってしまったのか」そう思わされることの不幸が、この世の中には現実に起こりうる。戦争は、その最たるもの。しかも、いかなる人間も自分の奥底に抱えている「生きたい」という無意識の意志を遮るものであるがゆえに、それは非道である。敗戦直前、十五歳の黒木少年は、動員先の工場で爆撃を受けた。 九死に一生を得るものの、十一人の仲間を亡くした。卑怯にも放置したまま逃げてしまった、その「うしろめたさ」が映画監督となったいまでも離れない。 黒木和雄監督の「父と暮せば」は、亡き人々から生き残った自身に託された使命として撮った。「うしろめたい」という潜在意識の痛みを抱えて生きる人々と、不幸な別れをもたらさない未来を支える人々に伝えるために。 それでも、「あの十五歳の自分から解放されることはない」。人間がもつ根源的な苦しみや生と死の不安を「共有できるもの」と信頼し、十一人の代弁者として生きる。 |
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【虎ノ門DOJO講演録】
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| 新聞ジャーナリズムの現状と本来の役割 | ●ジャパンエコー社代表取締役 原野城治 |
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「まほろば」の循環史観<4>
海の大八洲U―『奇跡の水の惑星・地球』の誕生とその進化 |
●四天王寺国際仏教大学教授・弁護士 中島尚志 |
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【グラビア】
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| 日に晒され風に吹かれ<104> | ●写真家 浅井愼平 |
| お墓参りは楽しい<29> 川上桂子 | ●作家・日本ペンクラブ常務理事 新井 満 |
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風と光の中で<20>諏訪
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●文 千歳栄/写真 イシイヨシハル |
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【歴史エッセイ】
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| 日本の名山 その歴史と文化<53> 身延山 | ●作家・文芸評論家 高橋千劔破 |
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歴史を変えた決断と名言<32>
ゆとりをもって過ごせば人生が楽しくなる |
●明治学院大学教授 武光誠 |
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【歴史小説】
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ひとすじの道<31>小説・三島通庸
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●作家 阿井景子 |
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【好評連載】
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| 長田百合子の体当たり奮戦記<18> 親の意識改革なくして、解決なし |
●エデュケイションライター 長田百合子 |
| ミレニアムの鼓動<55> ああ我が心の安重根 いまも続く凶行のミステリー |
●国際ジャーナリスト 菊地育三 |
| 高橋史朗の第三の教育論<18> イギリスが行った抜本的教育改革 |
●明星大学教授 高橋史朗 |
| リーダーの要諦 『貞観政要』を読む<29> |
●中国思想史家 疋田啓佑 |
| かさいよしつぐの通心簿<50> 斑鳩の里で出会った中学生 |
●教育コンサルタント 笠井喜世 |
| 植田剛彦の暴言直言一直線<17> 長嶋監督の挑戦は終わらない |
●評論家 植田剛彦 |
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【読者の作文コーナー】
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| 大事な人に伝えたい心のメッセージ |